CD 仏教儀式雅楽…時間72分
出仕 登降壇 退出 入場 献灯・献花・献香 退場 おねり 本堂、
場内のBGMに
仏事雅楽研究会と本願寺雅龍会の演奏の、CD版「仏教儀式雅楽」は、下記の 通り四つのグループから成っていますが、必ずしもその分け方にこだわることは ありません。
1のグループの、出仕、登壇、降壇、退出曲で時間が足らない場合は、2のグル ープから。それでも足らない場合は3のグループから曲をというふうに、会場の 広さ儀式参加の人数などを考慮して自由に決定してください。
また3のグループをBGM用と表示していますが、必ずしも固定したものではあり ません。
おねりや出勤、退出、登礼盤、奠供(仏供)として使用しても良い訳ですので、 何卒、適宜にご利用ください。
会場の広さ、儀式参加の人数などを考慮して、事前にどれくらい時間がかかるか 推定して、時間に合う曲目を決定してください。荘厳な儀式を行うには細かな配 慮、準備が必要です。行事に先だって先ず練習してください。
1のグループ 出仕 登壇・降壇 退出 〔13:35〕
1.乱声(らんじょう) 出仕 〔02:38〕
2.賀殿(かでん) 登壇 〔02:23〕
3.胡飮酒(こんじゅ) 降壇 〔02:24〕
4.新羅陵王(しんらりょうおう) 降壇 〔02:24〕
5.武徳(ぶとく) 退出 〔03:35〕
2のグループ 入場 献灯・献花・献香 退場 〔11:15〕
6.春鶯囀・入破(しゅんのうでん・じゅは)入場 〔03:03〕
7.伽陵頻(かりょうびん) 献灯・献花・献香〔03:59〕
8.酒胡子(しゅこし) 退出 〔04:07〕
3のグループ 時間を要する入出場・BGM用に 〔12:57〕
9.越天楽(えてんらく) 出仕・入場 〔04:53〕
10.陪臚(ばいろ) 退出・退場 〔03:50〕
11.五常楽(ごしょうらく) 本堂BGM 〔04:07〕
4のグループ 出勤・登礼盤 時間を要する入出場に 〔34:20〕
12.音取(ねとり) 〔01:20〕
13.鶏徳(けいとく) 出勤・登礼盤 〔02:56〕
14.老君子(ろうくんし) 〔03:45〕
15.越天楽(えてんらく) 慶事に 〔09:32〕
16.皇塵(おうじょう) 弔事に 〔09:56〕
17.陪臚(ばいろ) 慶・弔共に 〔06:37〕
1・2・3のグループ 仏事雅楽研究会 演奏
4のグループ 本願寺雅龍会 演奏
法要儀式に際しての、おねりを始めとしてお内陣への出勤・退出・登礼盤・降礼盤・奠供等の演奏雅楽として、あるいは仏式結婚式や葬式等の音楽として用いていただくための雅楽演奏CDです。
上記に演奏曲目と所要時間を記載しました。前もって試聴の上、行事にあった曲を選定してください。雅楽は慶弔に関係なく用いられますが、一般的には「越天楽は慶」に、「皇●(おうじょう鹿の下に章)は弔」に、「陪臚は慶弔」いづれの場合における退出退場用に適しています。
4のグループの鶏徳・老君子は、出勤・登礼盤・奠供等の際の演奏に適しているためよく用いられることを予想してのことです。
いづれにしても既製品ですので一長一短のあることは止むを得ませんので実用に際しては、各々工夫してご利用ください。尚この他に仏教讃歌4枚がCDで制作頒布されています。併せお用いになればより一層効果を期することができます。
4のグループに関して
演奏/本願寺雅龍会 演者/鞨鼓・武田恵昭 太鼓・常陸了●(巻の己の部分が求) 鉦鼓・喜多典証 龍笛・渡辺雅彦 杜多隆信 武田妙公 篳篥・経谷覚也 加藤文隆 鳳笙・堤 楽祐 山下美智太(勤式指導所講師)
御代替わり奉祝記念演奏 演奏 本願寺雅龍会 推薦 会行事 武田恵昭
本願寺と雅楽 霊岳 英雄
天平感宝四年四月九日(七五二年)当時の国運を傾けて建立された、奈良東大寺の大仏開眼供養会が、渡来僧ボダイセンナ(波羅門僧正)導師のもとに、華麗にしかも荘厳に修せられた。
野の人は、その盛大さを見る術もなかったが、はるかに響いてくる、今だかって、聞いたことのない妙なる楽の調べに、耳目をそばだて、仏国土の荘厳を、眼前に憶い映いたことであろう。
この妙なる楽の調べが、雅楽であった。この雅楽が、以来儀式法要には欠かせない要素として、宮廷に取り入れられ、さらには、仏閣神社に伝えられて、現在へと発展してきたのである。
大阪四天王寺の、聖霊会など、その好例で、雅楽と声明が、毅然一体となって、営まれる法要として、今では世界的に知られる、宗教儀式である。
こうした雅楽を、わが本願寺で用い始めたのは、寛永二年?六二五)で、その年の報恩講法要に、御堂奏楽した記録が見られる。以来毎年の報恩講はもとより、宗祖聖人大遠忌法要等には、盛大に依用され、今日では、雅楽をはずした法要儀式など、およそ考えられない程となっている。
このため本騎寺では、勝如上人のご代(昭和初年)御堂に奉仕する、式務部員の採用には、勤式の堪能に次いで、雅楽に素養のあることが条件とされた、その後、昭和十年に勤式練習所の課目に、雅楽が正科として、加えられることにより練習生は、鳳笙・篳篥等々いづれか一科目を必修した上、雅楽全般の技能を修得しなければならなくなり、以来技量は著しく向上してきた。余談になるが彼等練習生は声明作法の修得よりも、むしろ雅楽に興味を示して、熱心さのあまり、所かまわず楽器を取出して、音を出すので、甚だ周囲からうるさがられたそうである。こうして練習所出身者が、式務部の主流をなすに及んで、雅楽の技量は年々向上してきた。
これ等の人達によって、声明雅楽の研究会拾翠会(しゅすいかい)がつくられ互に技を磨いていたのであるが、近年沈滞気味で振はなくなったので、昭和四十九年に若い会員の内より再出発の義がおこり、その名も「雅龍合」(がりゅうかい)と改め活躍している。
普通法要で雅楽を演奏する者を伶人(れいにん)とか奏楽員というが、本願寺では讃嘆衆(さんだんしゅう)と呼ぶならわしである。もちろん装束は黒衣五条に切袴という正装で参仕し、楽も奏するが声明も唱える。このため法要の中心となり、その法要のよしあしはこの讃嘆衆の力量いかんにかかっている。
このCDはそうした讃嘆衆が中心となっている本願寺雅龍会が、法要以外に始めて演奏した録音である。生演奏できない多くの一般寺院教会などが、雅楽入り法要または儀式を営む際に使用できることを意図して実用的に演奏したもので、鑑賞用と多少趣きを異にしているので、御了承くだされば幸甚です。
以上紙面の都合で充分なことを述べられませんでしたが、求められるまゝに監修の辞といたしました。
元 本願寺・勤式指導所主任