今月の1シーン
2012年5月の写真の説明
2012年05月01日
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地獄 1
地獄とえいば、「嘘をつくと、地獄に堕ちて閣魔さまに舌を抜かれるぞ」とか、怖い場所だというイメージがあります。
この地獄は『往生要集(おうじょうようしゅう)』に明確に記されています。『往生要集』は平安時代の半ば頃(984)に、比叡山天台宗の学僧であった源信僧都(げんしんそうず)によって著わされました。そして、源信僧都は地獄を八つに分けました。
「火の車 つくる大工はなけれども
おのがつくりて おのがのり行く」
すねいるの伝声板(メッセージ)
今回は、『往生要集』の八大地獄をじっくり映像で見ていく企画です。(7月10日DVD「地獄」発売予定)
フラッシュ動画について
1枚目
第一、等活地獄(とうかつじごく)
「等活地獄」はこの世の地下、1,000由旬(14,400km)という深い所にあって、縦横が10,000平方由旬(144,000㎢)というとてつもなく広い真暗な世界です。
五戒の内の殺生(生き物の命を奪う)を破った者がこの地獄に堕ちます。
2枚目
第二、黒縄地獄(こくじょうじごく)
「黒縄地獄」は前の第一の等活地獄の下にあって、亡者が受ける苦しみは等活地獄の十倍だと説かれています。殺生に加えて、更に偸盗(盗み)を働いた者が堕ちる地獄です。
3枚目
第三、衆合地獄(しゅうごうじごく)
「衆合地獄」は今までの殺生戒、偸盗戒を犯したうえに、邪淫戒を犯した者が堕ちる地獄で、第二の黒縄地獄の下にあります。
この絵は、衆合地獄にある「刃葉林(とうようりん)」という地獄です。
4枚目
第四、叫喚地獄(きょうかんじごく)
「叫喚地獄」へ堕ちてくるのは、殺生、偸盗、邪淫のうえに飲酒戒を破った者が堕ちる地獄で、第三の衆合地獄の下にあります。
「火の車 つくる大工はなけれども
おのがつくりて おのがのり行く」
この歌は、自分の姿をよく見れば地獄へ堕ちなければならないのは、世の中が悪いのではない、地獄をつくっているのは他ではなく、自分自身であるといいます。この世を生きることは地獄の苦しみを抱えて生きることではないでしょうか。
『往生要集』は地獄にいながら浄土を願う者になって欲しいという願いが込められています。
6月に続く
画・小早川好古
今月の写真の説明/文責・青森直樹
「往生」の大切な経文や論釈を集めた『往生要集』。
その『往生要集』について先生自身の例話を交えたお話です。
ダウンロード法話
「往生要集のはなし」 お話 坂東 性純
地獄はあるのか。誰でもその所在が知りたい問いについて、分かりやすく説明されたお話です。
ダウンロード法話
「地獄はあるのか?」 お話 金治 勇
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