今月の1シーン
2013年9月の写真の説明
2013年09月01日
トップページのフラッシュ動画
釈尊が出家した動機は「生・老・病・死」であった
9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。
今月は仏教の原点ともいえる、釈尊の出家の動機を紹介します。
釈尊は、青年期にはゴータマ・シッダールタと呼ばれ、釈迦族の王子としてカピラ城の宮殿に住み、何ひとつ不自由のない生活をしていました。しかし反面、人生の問題に深く思い悩んでいたといいます。
それは人間が生きていくうえで苦悩する「生・老・病・死」の問題でした。
この苦しみを解決するために釈尊は出家したといいます。仏伝では「四門出遊(しもんしゅつゆう)」という物語で伝えられています。
フラッシュ動画について
1枚目
老人との出会い(東門)
この写真は、釈尊が青年期を過ごしたカピラ城跡です。(カピラ城はインドのピプラハワ遺跡と、ネパールのティラウラコット遺跡の二説があります。)
ある日、シッダールタはカピラ城の「東門」から出かけようとしました。そうすると、今にも倒れそうな老人の姿を見ました。
「あの腰の曲がった女性は誰か。」
シッダールタは家来にたずねました。
「あれは老人です。」
家来は答え、シッダールタはさらにたずねました。
「誰でもあのようになるのか。」
「はい、この世に生をうけた者は、必ずあのように老いるのです。王子も時がたてば必ず年をとって、あのように衰え弱ります。」
その言葉を聞いたシッダールタは、老いの姿を見てすぐさま城に引き返しました。
2枚目
病人との出会い(南門)
ある日シッダールタは、城の「南門」から町に出かけると、今度はそこで苦しみながら横たわっている病人に出会いました。病人は次のようにシッダールタに話かけます。
「若くて、たくましいシッダールタ王子よ、あなたもいつか病いに倒れ、悶え苦しむ日がくるのです。」と。
シッダールタは、その言葉を聞いてひどく心を乱され、すぐに城に引き返してしまいました。
3枚目
死人との出会い(西門) (ナーガルジュナ・コンダ考古博物館・同出土・三世紀)
この仏伝彫刻はシッダールタがカピラ城の「西門」から出る場面です。
画面中央には西の門が描かれ、その右に馬に乗ったシッダールタがいます。その左に死人が横たわっています。
シッダールタは、死人にすがりついて悲しむ人々に出会い、心が引き裂かれました。
4枚目
出城(ナーガルジュナ・コンダ考古博物館・同出土・三世紀)
またある日、シッダールタは城の「北門」から外に出た時、一人の沙門(しゃもん)に出会いました。沙門とは修行者のことで、苦悩を超えるために旅をしていました。
その沙門の姿を見たシッダールタは感動し、「生・老・病・死」の苦しみを解決しようと出家を決意しました。そして、愛馬カンタカに乗り、さとりを得ないうちは決してカピラ城に戻らないと、かたく心に誓いました。
三世紀頃の石盤に描かれた仏伝彫刻には、カンタカに乗り出城するシッダールタの様子が生き生きと描かれています。
シッダールタは29歳で「生・老・病・死」の苦しみを解決するために旅に出て、その6年後の35歳の時にブダガヤでさとりを開きました。それを成道(じょうどう)といいます。以降シッダールタは、釈尊と呼ばれるようになりました。
2500年前に釈尊が出家した動機は「生・老・病・死」の問題でした。今、私達も苦しみを乗り越えるため、「今を生きるヒント」の法話、400話をお聞きください。
法話は登録後(無料)、すぐに音源をダウンロードして聞くことができます。
ダウンロード法話 一話 680円(税込)
ダウンロード法話
今月の写真の説明
写真・久保尚志
絵・松浦莫章
文責・青森直樹
ホームへ戻る