今月の1シーン

画像: 2013年10月の写真の説明

2013年10月の写真の説明

2013年10月01日

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報恩講と『親鸞伝絵』


朝晩と肌寒くなり、報恩講の季節が近づいてきました。
報恩講とは、親鸞聖人の命日に勤められる法要のことです。
親鸞聖人は、1262年11月28日(新暦では1263年1月16日)に、90歳で亡くなりました。その後、門弟らが親鸞聖人の命日に法要をしたことが報恩講の始まりです。
「報恩講に始まり、報恩講に終わる」という言葉があるように、一年のくぎりを正月ではなく、報恩講で一年を反省し新しい年を迎えたといいます。

そのように浄土真宗で最も大切な行事である報恩講では、全国の各寺院の本堂に「御絵伝」が掛けられ、『御伝鈔』が拝読されます。
この「御絵伝」と『御伝鈔』の元は絵巻物で『親鸞伝絵』と呼ばれ、正式には『本願寺聖人親鸞伝絵』といい、本願寺第三代の覚如上人が撰述された親鸞聖人の生涯を絵と文章であらわした一代記です。上下2巻、全15段で構成したものが基本となっています。

しかし絵巻物では限られた者した拝観できないため、一度に大勢の人に見てもらえるように、絵巻物から絵だけをとし出し四幅の掛幅化したものを「御絵伝」、そして文章を『御伝鈔』として分けられました。

自身の行実についてほとんど語られなかったといわれる親鸞聖人。「今月の1シーン」では、親鸞聖人の生涯を知ることのできる最初のものであり、貴重な資料といえる『親鸞伝絵』(「御絵伝」と『御伝鈔』)を見ていきます。



フラッシュ動画について



1枚目
得度剃髪
「御絵伝」第一幅  第二図(上巻第一段)「得度剃髪(とくどていはつ)」

親鸞聖人(松若麿)9歳の時。青蓮院仏殿にて、得度受式の様子です。中央の白い衣を着ているのが松若麿。法名は範宴(はんねん)と名付けられました。松若麿のまわりに紙燭をかざす僧侶がいて、儀式は夜であったことがわかります。

その後20年間、比叡山で修行を積まれました。




2枚目
選択付属
「御絵伝」第二幅 第六図(上巻第五段) 「選択付属(せんじゃくふぞく)」

親鸞聖人33歳の時。師の法然上人から『選択本願念仏集』の書写を許されました。右上で『選択本願念仏集』を手渡しているのが法然上人。左下でそれを受け取ろうしているのが親鸞聖人です。

親鸞聖人が写し終わり、法然上人から『選択本願念仏集』の題名と、「南無阿弥陀仏 往生の業は念仏を本と為す」、「釈綽空」の法名を書いてもらわれました。

後に親鸞聖人は『教行信証』(後序)に、「これ専念正業の徳なり、これ決定往生の徴なり。仍って悲喜の涙を抑えて由来の縁を註す。」と感動の出来事として記しています。



3枚目
弁円済度
「御絵伝」第三幅 第十五図(下巻第三段) 「弁円済度(べんねんさいど)」

親鸞聖人は比叡山延暦寺や奈良興福寺の弾圧によって流罪になり、越後(新潟県)に流されます。そして越後をあとに関東へ向かわれ、常陸の国の稲田に住まわれました。この地で『教行信証』の執筆を始められたといいます。

絵の右下で対面している二人のうち、弓と刀を持っているのが山伏の弁円(べんねん)。弁円は親鸞聖人を襲おうと稲田の草庵にのり込んできました。

左上では親鸞聖人の穏和な姿を見て、はっと驚き弓と刀を捨て、その場にひれ伏した弁円の姿です。その後、弁円は親鸞聖人の弟子となり、明法房(みょうほうぼう)という法名をいただきました。




4枚目
洛陽遷化
「御絵伝」第四幅 第十八図(下巻第六段) 「洛陽遷化(らくようせんげ)」

弘長二年(1262)、聖人90歳の時。親鸞聖人は京都押小路の南、万里小路より東、尋有僧都の善法院で病に伏せられました。

絵は11月28日に頭北面西右脇に臥し、遂に念仏の息を静かに閉じられた親鸞聖人です。臨終に立ち会った門弟たちは悲しみ、涙を流しています。




「今月の1シーン」で紹介した「御絵伝」は、ほんの一部で、他にも多くの親鸞聖人のエピソードが描かれています。

「御絵伝」は報恩講の際に全国の真宗各寺院の本堂の内陣左余間に掛けられますが、本堂の奥に掛けられているために、遠くてよく見えなかったり、何が描かれているか分からないという声もよく聞きます。また『御伝鈔』は、分かりやすい文章とはいえません。

そのような声から、「御絵伝」と『御伝鈔』がより身近に感じ、内容も理解できるようにと制作したのが、DVD作品「親鸞伝」「絵とき親鸞伝絵」です。
親鸞聖人の生涯を偲ぶ助縁としてお使いください。





『親鸞伝絵』を脚色したDVD「親鸞伝」は、御絵伝四幅を中心に小早川好古画伯の絵画を追加し、親鸞の生涯を分かりやすく描いています。
また、ロケーションの幽玄な情景は親鸞聖人の生きざまに厚みが加わりました。
DVD「親鸞伝」
DVD「親鸞伝」
全二枚セット 16,800円(税込)




このDVD作品の見どころは、『親鸞伝絵』を拠り所に、すねいるオリジナル絵画と浪花家辰造、春野百合子の浪曲界を代表する二人の掛合いで親鸞聖人の生涯を絵ときします。

全五巻で構成し、「御絵伝」に描かれていない「磯長の夢告」「松虫鈴虫の物語」などの御伝記を加え演出しました。どうぞ、今までになかった『親鸞伝絵』をお楽しみください。
DVD「絵とき親鸞伝絵 プラス御伝記」
DVD「絵とき親鸞伝絵 プラス御伝記」
全五枚セット 34,650円(税込)



今月の写真の説明
絵・橘 昭信
文責・青森 直樹



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