今月の1シーン
2014年7月の写真の説明
2014年07月01日
7月のホームページフラッシュ
お盆
七月に入りお盆の季節になりました。お盆の行事は、東日本では七月に行われるところが多く、西日本では八月に行われます。このお盆は、盂蘭盆会(うらぼんえ)とも呼ばれ、仏教の教えがもとになっています。
今月の1シーンは、お盆(盂蘭盆会)の由来になっている『仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)』というお経に記された、目連尊者(もくれんそんじゃ)と亡き母親の物語を見ていきます。
フラッシュ動画について
1枚目
目連尊者の神通力
今から2500年前、お釈迦さまが祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)におられた頃。目連尊者は亡き母への「乳哺の恩(にゅうほのおん)」に報いるため、いいかえますと乳を飲ませ育ててくれた恩に感謝したいと、初めて神通力をつかって母を探しました。
2枚目
餓鬼道(がきどう)に堕ちた母
そして、餓鬼道に堕ちて骨と皮になってやせ衰えた母を見つけました。餓鬼道という所は、どれだけ食べてもきりがなく、食べたいの念がやまない「貪り」の世界です。
目連尊者は、すぐにご飯を鉢に盛って母親のもとに行き、食べさせようとします。しかし、母親が口にご飯を入れようとするとたちまち燃えて、とうとう食べることができませんでした。
3枚目
お釈迦さまに教えを請う
お釈迦さまは、「目連よ、汝の母の犯した罪はあまりにも深い。七月十五日、たくさんの僧が一堂に集まる僧自恣(そうじし)」の日に、盂蘭盆会を営みなさい。」とお釈迦さまは目連尊者に教えを説きました。
4枚目
盂蘭盆会を営む
目連尊者は七月十五日に盂蘭盆会を営み、たくさんの僧にさまざまな食べ物を用意し、心を込めて供養しました。
孟蘭盆会に集まった僧たちは大いに歓喜しました。目連尊者は悲しみ涙を流していましたが、憂いが除かれました。この時、目連尊者の母は餓鬼の苦しみから救われたのでした。
今回紹介しました目連尊者と母の物語が記された『仏説盂蘭盆経』は、インドの古い言葉であるサンスクリット語やパーリ語で書かれた原典が見つかっていないため、中国で撰述されたお経であり、偽経(ぎきょう)といわれています。
偽経であるから信ずるに足らないと斥けないで、むしろ積極的にお釈迦さまのお説きなった教えとして受け取ってみてはどうでしょうか。
現代はめまぐるしいまでに動き、忙しい時代です。物質的には豊かになった反面、父母のこと、まして他人のことなどにかまう余裕がなくなってきているように思います。しかし人間はひとりで生きていけません。
お盆を機会にして、目連尊者が母に育ててくれたことを感謝したように、私たちも今日ここまで育ててくれた父母を憶い、また自分自身を見つめ直して心にゆとりをもつことこそ、仏教行事としてのお盆といえるのではないでしょうか。
今月の写真の説明
絵・小早川好古
文責・青森 直樹
「お盆」の作品はダウンロード(動画)販売を始めましたので、ネット環境のある方は、インターネットからパソコンにダウンロードして、ご覧ください。
一分間の視聴もできます。また、ブルーレイでも発売しています。
仏教行事
「お盆 ~お盆のルーツをたずねて~」
ダウンロード(動画) 3,600円(税抜)
ブルーレイ 7,200円(税抜)
今回紹介しました目連尊者と母親の物語を中心に、お盆の行事の意味についてのお話です。
CD「お盆 ~目連さま~」
お話 間野大雄 2,000円(税抜)
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