今月の1シーン
2014年9月の写真の説明
2014年09月01日
9月のホームページフラッシュ
苦行
今月は釈尊が、さとりを開く前の「苦行(くぎょう)」を紹介します。
沙門となって修行の旅に出たゴータマ・シッダールタ王子(釈尊)。仏伝には、二十九歳で出家し、六年間にわたって林にこもって「苦行」を行ったといわれています。
当時、苦しみのもとである欲望は、肉体が活発であるから起こると考えられていました。「苦行」とは、その肉体を極度に苦しめ抑制することで、精神的な自由を得る修行のことです。
フラッシュ動画について
1枚目
苦行林
苦行を行った場所は、ブダガヤの近くを流れているネーランジャラー河のほとりにあるウルヴェーラー村のダマラン。木にかこまれた閑静な所で、修行に適していたといいます。
2枚目
苦行の内容
ここでシッダールタは、五人の修行者たちと共に苦行を始めました。髪の毛やヒゲを抜き取る行、常に直立している行、常にうずくまっている行、トゲの上に横になる行、呼吸を止める行などで肉体を苦しめました。
最も厳しいのは断食で、日に日に食事の量を少しずつ減らし、二日にわずか一粒の胡麻と一粒の米だけ、果てには一週間に一粒だけという死と背中あわせの行でした。「シッダールタは死んだ」と噂されるほどだったといいます。
3枚目
苦行像
苦行の姿の像が、タイのベンチャマボビット寺院(バンコク)にあります。骨と皮だけになり、目は深くくぼみ、血管がくっきりと浮かびあがっている姿に苦行の激しさが見てとれます。
釈尊は苦行について、「過去にも未来にも現在にも修行者は多くいるけれども、私ほど激しい修行をした者はいない。」と述べています。
4枚目
苦行をやめる
このような苦行を六年間続けても「さとり」を開くことができなかったシッダールタは、「苦行は真実の道ではない」ことを知り、苦行を放棄しました。苦行は身体を疲労させるだけで、かえって精神の働きをもうろうとさせるだけでした。そして、「健全な心は健全な肉体に宿る」という言葉を残されました。
その後、ネーランジャラー河で体を洗い、近くの村の少女スジャータが捧げた乳粥を飲みほし、体力を回復され、現在のブダガヤ大塔の菩提樹の下に座り「さとり」を開かれました。
ともすると、釈尊の「さとり」は六年間の苦行の功徳によって得たと思われるかもしれませんが、伝記には苦行は無益であったとはっきり説かれています。苦行の放棄の結果として、「さとり」を開かれたのでした。
今月の写真の説明
写真・久保尚志
絵・松浦莫章
文責・青森直樹
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