今月の1シーン
2015年9月の写真の説明
2015年09月01日
9月のホームページフラッシュ
お彼岸(ひがん)
9月は秋季彼岸会です。秋分の日(9月23日)を中日として前後3日、計7日(9月20日から26日まで)の間に行われます。
「彼岸」とは季節をあらわす言葉ではなく、元は到彼岸(とうひがん)、インドの言語でパーラミター(波羅蜜多)という言葉に由来し、「さとり」を意味します。
お彼岸の中日には太陽が真東から出て、真西に沈んで阿弥陀如来の浄土の方向を正しく示していることから、沈む夕日を眺めて、浄土に想いを馳せてきました。
また、この期間は仏道修行のために設けられた日本独特の仏教行事でもあります。夏の暑さも落ち着き、疲れが出てくる頃でもありますので、今月は浄土(彼岸)を願う多くの念仏者を励まし、勇気づけてきた「二河白道(にがびゃくどう)の譬(たと)え」見て元気を出していきましょう。
フラッシュ動画について
1枚目
孤独な旅人
一人の旅人がいました。
旅人は、右へふらふら、左へふらふらと、歩きはじめようとしましたが、これから進む道のりが、はてしなく遠く感じました。
それでも勇気を振り絞り、旅人が西に向かって歩みはじめると、突然、行く手に二つの河が現れました。
2枚目
火・水の二つの河と白い道
それは、一つは火の河(怒り・憎しみ)で南に広がっています。二つは水の河(貪り・愛欲)で北に広がっています。二つの河は深くて底がありません。そして、南北に果てしなくどこまでも続いています。
その火と水の河のちょうど中間に、白い道が延びていて、道の幅は、ほんの15センチほどしかありません。
そして、背後からは多くの恐ろしい獣たちが、きそいあって旅人に襲いかかってきます。
その時、旅人は思いました。
「西に向かってこの白い狭い道を行けば、間違いなくこの火と水の二つの河に墜ちて死んでしまう。立ち止まっていても死ぬ。私はもう死から逃がれられないのか。」
3枚目
お釈迦さまと阿弥陀如来の喚びかけ
その時、旅人は決断します。
「いずれにしても、死ぬのであるならば、私は前に向かって進んで行くしかない。
すでにこの白い道がある。
この道を信じて歩めば、必ず「西の岸」にたどり着くことができるにちがいない。」
このように旅人が決心して、一歩踏み出そうとした、その時、東の岸(此岸)からのお釈迦さま(写真右側)の「行きなさい」という励ましと、西の岸(彼岸)からの阿弥陀如来(写真左側)の「こちらに来なさい」と喚ぶ声が聞こえ、旅人は白い道を歩み出しました。
4枚目
誘惑
まだ、安心できません。
一歩、二歩と進む旅人に対して、東の岸の悪党たちが、旅人に向かって喚びかけてきました。
「旅人よ、ひき返して来い。この白い道は、けわしく、とても渡りきることはできない。間違いなく、水と火の河のどちらかに堕ちて、君は死んでしまうぞ。」
「わしらは決して悪意があって、君に言っているのではない。君のことを心配しているのだ。」
しかし、旅人は、悪党の言葉に、心を乱すことはありませんでした。
旅人は、お釈迦さまの「行きなさい」の声を聞き、阿弥陀如来の「こちらに来なさい」と喚ぶ声に導かれて、無事に対岸の西の岸にたどり着きました。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、お彼岸の頃は気候もよく、今年は休日が続いているため、お寺やお墓参りにぴったりです。秋の涼しい風を感じながら、静かに手を合わせてはいかがでしょうか。
また、今月の1シーンで紹介したDVD作品「二河白道の譬え」も好評発売中です。
今月の写真説明
絵・能 英樹
文責・青森直樹
DVD作品
「二河白道 〜善導大師 信のめざめ〜」
(収録時間 23分) 9,720円(税込)
約60分の法話の間々に声明や音楽、効果音を挿入し聞きやすく、分かりやすくなりました。
法話と音楽、効果音により仏教の世界へいざないます。お彼岸についての法話が収録されています。
CD ここちよい新法話
「日本の仏教行事2(四月から九月)」 室生貞信(むろう ていしん)
(収録時間 63分) 2,160円(税込)
ダウンロードでも発売中
ダウンロード新法話
「日本の仏教行事⑫ 彼岸について(秋)」室生貞信
(収録時間 11分) 274円(税込)
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