今月の1シーン

画像: 2012年9月の写真の説明

2012年9月の写真の説明

2012年09月01日

トップページのフラッシュ動画
二河白道の譬え


「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、秋の彼岸を迎えると厳しい暑さも和らぎ、涼しい風が吹くようになります。
9月は秋季彼岸会です。秋分の日(9月22日)を中日として前後3日、計7日の間に行われます。

「彼岸」とは到彼岸(とうひがん)、インドの言語でパーラミター(波羅蜜多)という言葉に由来します。そして到彼岸とは、私達が生活する現実の世界(此岸)からさとりの世界(彼岸)へわたることをいいます。

この此岸(しがん)から彼岸(ひがん)にわたることを表現した「二河白道(にがびゃくどう)の譬(たと)え」があります。
この譬えは中国の僧、善導大師(ぜんどうだいし)の『観経疏(かんぎょうしょ)』という書物に記されています。
難しい書物ですが、絵画で見ていきたいと思います。


「西岸というは、すなわち極楽宝国に喩うるなり。」
すねいるの伝声板(メッセージ)



フラッシュ動画について


1枚目
火・水の二つの河と白い道
火・水の二つの河と白い道

旅人が東の岸(此岸)から西の岸(彼岸)に向かって歩き始めると、突然行く手に二つの河が現れました。
それは、一つは火の河(怒り・憎しみを表す)で南に広がっています。二つは水の河(貪り・愛欲)で北に広がっています。二つの河は深くて底がありません。そして、南北に果てしなくどこまでも続いています。

その火と水の河のちょうど中間に、白い道が延びていて、道の幅は、ほんの15センチほどしかありません。



2枚目
恐れる旅人
恐れる旅人

このすさまじい光景を見ていた旅人は、恐れのためにおののき打ち震えるばかりでした。

「西に向かってこの白い狭い道を行けば、間違いなくこの火と水の二つの河に墜ちて死んでしまう。立ち止まっていても死ぬ。私はもう死から逃がれられないのか。」

このように旅人が思った時、その恐ろしさは言葉では言い表しようがないほどでした。



3枚目
釈迦・弥陀の呼び声
釈迦・弥陀の喚びかけ

東の岸(此岸)からのお釈迦さま(写真右側)の「行きなさい」という励ましと、西の岸(彼岸)からの阿弥陀如来(写真左側)の「こちらにわたって来なさい」と喚ぶ声を信じ、旅人は念仏を称えながら白い道を歩み出しました。



4枚目
善導大師
善導大師

「西岸というは、すなわち極楽宝国に喩うるなり。」(『観経疏』より)

この言葉は「二河白道」の終わりに記されている善導大師の解釈です。
善導大師は「西の岸」を、「極楽宝国」に譬えられました。
「極楽宝国」とは、すぐれた功徳の宝に満ちた極楽世界、つまり阿弥陀如来の浄土のことです。

浄土
此岸に生きる私たちは、彼岸会を迎えて彼岸(浄土)によって反省してみることが必要なのではないでしょうか。


画・能英樹
今月の写真の説明/文責・青森直樹





今月の1シーンで紹介した、「二河白道の譬え」のDVD作品です。
言葉だけでは表現しきれない二河白道の世界を映像で見ていきます。今月の1シーンで使用した絵画はほんの一部で、DVD本編では能英樹画伯が描いた、スーツを着た現代のサラリーマンの男性が白道を歩んでいく物語形式になっています。

善導大師自身の求道の歩みをみごとに表した「二河白道の譬え」。
法然上人や親鸞聖人などの多くの念仏者に影響を与えた「念仏」・「信心」の世界を、彼岸会を機会にぜひご覧ください。


DVD作品
二河白道 ~善導大師 信のめざめ~
 「二河白道 ~善導大師 信のめざめ~」 (収録時間 23分)
9,450円(税込)





「彼岸会」の行事をテーマにしたダウンロード法話(各680円(税込))です。
法話は試聴ができますので、ぜひお聞きください。



ダウンロード法話
伊奈教雄
「彼岸の浄土」 伊奈 教雄

「私たちは命ある限り、いろいろな苦しみに耐えて人生を歩んで行かなければなりません。そうした時に人生の不安に耐えかねて、何か静かで安らいだ本当に心の落着く世界を願わずにはおれないのです。」
明るい道、彼岸へ歩む人生の指針についてのお話です。



ダウンロード法話
雑賀正晃
「模範法話2集」 雑賀 正晃

仏教行事は単なる行事ではありません。行事を通してその心を知ることが大切です。
しかし、どんな行事でも定例化し習慣化すると知らず知らずの内にその趣旨が忘れられてしまう恐れがあります。
この法話はそうしたマンネリ化を破って、仏教行事の心を把握していただく資として収録したものです。



ダウンロード法話
灘本愛慈
「彼岸会」 灘本 愛慈

「私の故郷はお浄土であります。現代の人々は本当の故郷を見失っている。全ての人に本当の故郷(彼岸)がある。阿弥陀さまの待っている故郷を味じわせていただくことは素晴らしい人生である。」と、彼岸会の意味と併せて「彼岸」を念仏者はどのように味わせていただくのか、お話くださいました。



ダウンロード法話
大野薫
「彼岸の浄土」 大野 薫

「真宗は春秋の二回だけが彼岸でありません。一日一日を彼岸(浄土)の歩みとして、自分の人生に悔いのないものにしなければならない。」と、毎日の日常から彼岸の尊さについてお話くださいました。




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