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今月の1シーン
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2014年02月01日

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お釈迦さま最期の旅



2月15日は、お釈迦さまが80年の生涯を終え涅槃に入られた日です。この日に「涅槃会」(ねはんえ)が行われます。

お釈迦さまは35歳でさとりを開かれ、80歳で涅槃に入られるまでの45年間、一カ所にとどまることなく旅をしながら人々に教えを説き続けました。『マハーパリニッバーナ経』には、お弟子のアーナンダと共に故郷をめざして王舎城を出発し、途中のクシナガラで涅槃に入られたお釈迦さま最期の旅の様子が詳しく記されています。



フラッシュ動画について


1枚目
ラジギール
ラジギール

ここは、最期の旅の出発地であるマガダ国の首都、ラジギールです。ラジギールは、お釈迦さまが法を説かれた地としても有名です。
写真はお釈迦さま入滅後、マハーカーシャパが500人の比丘を集めて経典の編纂を行った第一結集窟です。



2枚目
ヴァイシャーリー
ヴァイシャーリー

現在のヴァイシャーリーは農村のたたずまいのなかに静まりかえっていますが、お釈迦さまの当時はリッチャビ族の商業都市として栄えていました。入滅後100年経った頃、第二回目の仏典結集が開かれた町としても知られ、それを記念したアショーカ王の石柱が立っています。アショーカ王(在位紀元前268年頃から紀元前232年頃)は古代インドを統一した王で、戦争によって多くの犠牲者をだしたことを悔い、仏教に帰依して武力を放棄し、法にもとづく政治を行いました。

この地でお釈迦さまは、遊女アンバパーリーの家で食事のもてなしを受け、彼女のために教えを説きました。アンバパーリーはのちに出家して比丘尼になったといいます。



3枚目
パーヴァー
パーヴァー

お釈迦さまはパーヴァー村に立寄り村の人々に教えを説きました。その時に鍛冶職人のチュンダの供養した料理がもとで食中毒になり衰弱したといわれています。激しい下痢の苦痛に耐え忍びながらクシナガラへと出発しました。

後にお釈迦さまは、チュンダが非難されることを心配し、「二つの供養の食物に最上の功徳がある。それは、さとりを開く前にスジャータが供養した食物と、チュンダが供養した食物である。」とアーナンダに伝えたといいます。



4枚目
涅槃(サールナート考古博物館 八相図一部)
涅槃(サールナート考古博物館 八相図一部)

クシナガラにたどり着いたお釈迦さまは、「アーナンダよ、わたしは疲れた。横になりたい」といって、二本並んだサーラ樹の間に横になりました。

アーナンダは、お釈迦さまが涅槃に入るという事実に耐えることができず悲しみにくれます。泣くアーナンダを見てお釈迦さまは、これまでの心遣いに感謝を述べた後で、「さあ比丘たちよ、今こそおまえたちに告げよう。形あるものは滅びゆく。怠ることなく努めよ。」(『マハーパリニッバーナ経』)と伝えました。これがお釈迦さま最期の言葉をなりました。

二月十五日のことであったといいます。



参考資料/『お釈迦さまの地 インド』 文・写真 久保尚志 すねいる発行
今月の写真の説明/文責・青森直樹




お釈迦さまの生涯を知る「仏教入門」。CD全10枚で発売しています。
そのCD6枚目に今月の紹介しました、アーナンダと共に王舎城を出発してクシナガラで入滅するまでの事情を記録した『マハーパリニッバーナ経』についてのお話が収録されています。『マハーパリニッバーナ経』は中村元訳の『ブッダ最後の旅』(岩波文庫)で有名な経典です。


CD「仏教入門」  お話  雲井昭善(大谷大学名誉教授)
10枚セット 定価19,000円(税込)





お釈迦さまの最晩年の言葉で知られている「自灯明 法灯明」をテーマに、先生自身の仏教観や私たちにとって仏教とは一体何であるか、そして仏教が私たちの生き方にどのようにかかわってくるのかについてのお話です。


CD「自灯明 法灯明」
お話 長崎法潤(大谷大学名誉教授) 2,000円(税込)

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