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2012年1月
今月の1シーン:1
2012年01月01日

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金子みすゞ


山口県長門市仙崎が生んだ若き童謡詩人、金子みすゞ。
金子みすゞの詩は小学校の教科書に載り、子供たちに親しみ深く暗唱されています。
また、東日本大震災の時には「こだまでしょうか」がテレビで流れました。

みすゞが生まれ育った「仙崎」は、漁師町として栄え、鯨や魚に感謝して供養するという大変信仰深い土地柄でした。そして、みすゞは母や祖母と一緒にお寺にお参りしながら、仏さまを大切にした生活をしていました。

みすゞは生涯、512編もの童謡を書き残しました。みすゞの詩は、魚や動物、植物の命を人間の命と同じように表現しています。
その詩の心はやさしく、懐しいものが心の中に入ってきます。そして明るい世界が広がります。

「忘れていても、仏さま、
いつもみていてくださるの。
だから、私はそういうの、
ありがと、ありがと、仏さま。」
(すねいる伝声板)



フラッシュ動画について


1枚目
金子みすゞ
金子みすゞ

金子みすゞは明治36年(1903年)4月11日、三人兄弟の長女として生まれました。本名は「金子テル」といいます。
昭和5年(1930年)3月10日、26歳で亡くなりました。

写真提供・金子みすゞ著作保存会



2枚目
山口県長門市仙崎
山口県長門市仙崎

青海島の王子山公園から望む、みすゞが住んだ仙崎の町です。
仙崎は北長門海岸国定公園の中心に位置し、青海島を望み仙崎湾と深川湾に囲まれた町です。
仙崎は漁師町でした。現在でも魚の供養や鯨法会という仏教行事が色濃く残っている町です。



3枚目
「お仏壇」
「お仏壇」

金子家は、浄土真宗本願寺派 遍照寺の門徒でした。父を早く亡くしたみすゞは、
信仰深い母と祖母によって育てられました。
「お仏壇」という詩が残されていて、お内仏にお参りするみすゞの様子がほのぼのと表現されています。



4枚目
「お仏壇」
「お仏壇」

「朝と晩とに忘れずに、
私もお礼をあげるのよ。
そしてそのとき思うのよ、
いちんち忘れていたことを。

忘れていても、仏さま、
いつもみていてくださるの。
だから、私はそういうの、
ありがと、ありがと、仏さま。」


この詩は「お仏壇」の一部で、みすゞが仏さまを大切した家庭で育ったことが分かります。みすゞはお内仏(お仏壇)の花を生け替えたり、お仏飯をあげるのが日課であったといいます。「お礼をあげる」とは仏さまにお参りをすることです。

お内仏の前に座り手を合わせ「ありがと、ありがと、仏さま。」と、仏さまに感謝の気持ちを伝えていたみすゞの様子がよく伝わってくる詩です。


絵・上原結子(うえはら ゆいこ)
今月の写真の説明/文責・青森直樹




DVD「金子みすゞ 慈しみの詩」は、みすゞの生涯を辿りながら仙崎のみすゞ記念館などゆかりのロケ映像と、16編の詩をやさしさ溢れるタッチで描く上原結子の絵によって、詩に込められた「慈しみの心」を浄土真宗の視点から表現しました。

DVD作品
「金子みすゞ 慈しみの詩」
 「金子みすゞ 慈しみの詩」



みすゞと同じ故郷(長門市)の上山大峻先生(浄泉寺住職、龍谷大学名誉教授、元学長)は、仏教が根底にあるみすゞの詩を紹介しながら、「みすゞの生涯」や「浄土真宗の信仰深い土地がら仙崎」や「いのちは平等」であること、また「見えない力で生かされている」ことについてお話くださいました。

ダウンロード法話
上山大峻
「金子みすゞ 見えぬけれどもあるんだよ」 お話 上山大峻



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